Date:2008/01/22 20:56
本日も日本株は、大きく下げてしまいました。
すでにファンダメンタルズもチャート分析も出番がないような底抜けの相場になっていますので、安値だと思いながらも底が見えないので、なかなか買えない状態が続いています。
そんな折に、経済アナリストの森永氏の面白いコラムがNikkeiBPのサイトに上がっていた。
「日本は没落した」はハゲタカの言葉
-----引用開始-----
まさに日本経済への悲観が極まった形といえよう。現に、メディアに登場する評論家たちは口を揃えて「日本は没落した」「日本に未来はない」という。だが、それは本当なのだろうか。
結論から言えば、いま株式市場で起こっている事態はオーバーシュート、つまり、相場が行き過ぎた展開であるとわたしは見ている。数字を一つ一つ検討していけば、現在が異常な状態であることが理解できるだろう。異常な状態は、いつか必ず正常な状態に戻ることは疑いがない。
-----引用終わり-----
「オーバーシュート」、、、、まさに、その通りだと思います。
例えば、今日も暴落しているTOPIXについてですが、本日(1/22)の価格から計算すると。
PER: 13.72 倍 (日本株は15から20倍ぐらいが平均的)
PBR: 0.83 倍 (1倍を切るのは、個別株ならともかくインデックスでは珍しい)
というような、超がつくほど割安状態になっております。
さて、
森永氏は、コラムの中で2つ例を示して、日本が割安状態であると説明している。
1.株式時価総額に対する名目GDPの割合からいうと株式は割安
-----引用開始-----
米国の株式時価総額は、1月11日現在で、ニューヨーク市場とナスダックを合わせて、15兆2343億ドルと推定される。これは名目GDPの1.38倍にあたる。
一方、東証の時価総額はマザーズを含めて451兆円で、名目GDPの88%に過ぎない。これは明らかにおかしい。日本の金融市場の発達の度合いは、ほぼ米国並みとなっている。しかも、市場経済化が進んでいない中国でさえ1.5倍だ。
-----引用終わり-----
私自身、GDPと株価という視点で割安度を評価したことがなかったのでとても参考になります。そして、もし日本が米国のような、株式時価総額がGDPの1.38倍程度になるとすると、
「日経平均は2万2219円の水準」
だと書かれています。
そういう指標で見ると現状は行き過ぎるほど安くなっていますね。。。
そして、もうひとつの理由は、
2、購買力平価の理論からいうと日本円がもっと高い(円高)
-----引用開始-----
仮に10年前との比較をしてみよう。すると、米国はこの10年間で消費者物価が30.1%上昇しており、日本は1.9%下落している。
(略)
では、10年前の購買力平価が成り立つためには、1ドルがいくらになればいいのか。それは、1ドル=96円である。現状からさらに10%以上の円高が進まなければならないのだ。それではじめて、10年前の状態に戻る。
-----引用終わり-----
確かに、こういう考え方もありますね。 そのような意味では、円も過小評価されているのかもしれません。
確かに購買力平価でみるともっと円高に進むべきかもしれません。
が、、 私自身は、為替に関しては「購買力平価」は一側面でしかないのでこちらはあまり信用していません。
例えば、購買力平価の理論が成り立つとすると、 インフレ国=金利が高い国の通貨が下がる(逆に日本のようにデフレで金利が低い国の通貨は上がる)ということになりますが、 過去の為替データを調べた本を読んだことがあるのですが、、、金利と通貨の関係には正の相関(0.7ぐらい)あり、実は「購買力平価の理論」と逆のデータが出ていたりします。
(超長期でみれば分かりませんが、その書籍では、そこそこ長いデータで検証していた気がします、手元に資料がないので答えられなくてすみません、、、)
話が脱線してしまいましたが、
「PER」や「PBR」や「株式時価総額に対する名目GDPの割合」から見ても株式市場はかなり安値圏に来ていることは間違いないです。 2003年のITパブル崩壊後以来の割安度になっています。
短期的には確かに辛いですが、10年に一度の大バーゲンセールだと思って、皆様あきらめず、がんばりましょう!!
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この記事に対するコメント
アラブ諸国の投信
こんにちは。いつも楽しく有用な情報、参考にさせていただいております。イートレードのサイトで見ましたが、アラブ諸国の投信が新発されていました。成功報酬の記載もありました。どんなんでしょうか?ご意見いただけますとありがたいです。またアラブ諸国のETFはないのでしょうか?
Re:アラブ諸国の投信
>こんにちは。いつも楽しく有用な情報、参考にさせていただいております。
ありがとうございます。
>アラブ諸国の投信が新発されていました。成功報酬の記載もありました。どんなんでしょうか?ご意見いただけますとありがたいです。
■まず、投資信託としての切り口でみると、
販売手数料 約3%、 実質信託報酬 年率約2%、 プラス超過リターンに対して成功報酬15%というのは、厳しいですよね。
(10年保有すると、単純に最低23%が手数料で消えてしまいます。)
それだけの手数料を払っても魅力的な市場だと考えるなら購入するのもありだと思います。
また、まだ運用が開始されていないので、どういう運用がされるかが不明です。(今は確認してませんが、イートレードのベトナムファンドは、キャッシュポジションばかりで全然投資されていない時期がありました、ほとんど詐欺です)
大事な資金を提供するのですから、今月に買わないと駄目だとかの理由が無ければ、1年ぐらい見守ったのちに買ったほうが良いのではないでしょうか?
■投資先としてみると
サウジアラビアの株式市場は、ようやくBRICS並みの規模になってきましたので、ベトナムとかのファンドよりは、安定していると思いますが、まだまだ新興市場には違いありませんので暴落するときもあると思います。
あと、原油関係で潤っていますので今は面白い投資先だと思います。原油自体は限られた資源ですので、長期的に価格は上がっていくとは思います。ただ今は少し上がりすぎですので価格が落ちたときに短期的に暴落しそうで怖いですね。
あとは、個人的にはイスラム教の人々が、どういう投資理念を抱いているのが分からないのが嫌ですね。 イスラム教の教えで「儲けてはいけない」などがあった気がしますが、、、
>アラブ諸国のETFはないのでしょうか?
指数はありますが、ETFは聞かないですね。
指数、MSCI Arabian Markets や、MSCI GCC Countries Index
ETFのほうは、そのうち米国などで出るかもしれません。
(サウジアラビア等は外国人投資家の購入制限がありますので、ETFを作るのは難しいのかもしれません、 ただ規制解除をして外貨を呼び込もうとしてますので、そのうち出来るとは思うんですが、、)