Date:2009/04/25 08:46
日本市場の投資プレーヤーとして、外国人投資家が多い(売買の半数)ですが、それ以外のプレーヤーとして個人投資家(2割ぐらい)や国内機関投資家(1割強ぐらい)がいます。 その機関投資家の1つとして「生保・損保」があります。その「生保・損保」の09年の資産運用スタンスが発表されています。
焦点:国内債投資の選好スタンス鮮明に、株式投資は一段縮小の方向=大手生保09年度運用計画 (Yahooニュースより)
大手生命保険は、2009年度一般勘定資産の運用計画で、株式投資に意欲をみせつつも資金を国内債にシフトさせる姿勢を鮮明にしている。世界的な金融危機を受けてリスク回避を優先させる一方、株価上昇の可能性にも敏感になっている側面がうかがわれる。債券運用の対象は20年債が中心で、状況によってさらに期先物に乗り換える可能性を指摘した生保もあった。株式投資について明確に縮小方針を打ち出しているのは明治安田生命と富国生命の2社。逆に日本生命と太陽生命は運用残高の積み増しを明らかにしているが、株式市場関係者は実際の株式取得に懐疑的だ。
生保(一般勘定)は、長期運用で継続的に運用していく必要がありますので、長期投資を行っている個人投資家の投資戦略の参考になるかもしれませんね。
逆に、株価を買い支える側面もあるので、短期投資家においても、今後の株価の動きを考える参考情報になるかもしれません。
では、生保がどういう投資スタンスであるかというと予想通り「債券重視」だそうです。
そして、細かい状況を見てみますと、
国内株式 | 国内債券 | 外国証券 | |
日本生命 | 内外株式を増加 | 増加資金1兆円の大半を充当 | オープン外債は横ばい |
第一生命 | 残高は横ばい 銘柄入れ替え |
金利が上昇すれば超長期債中心に積み増し | 外債は残高維持 銘柄入れ替え |
明治安田生命 | 1600億円圧縮 銘柄入れ替えも実施 |
4600億円積み増し デュレーションを長期化 |
外債は1000億円純増 外株は400億円削減 |
住友生命 | 状況見て機動的に対応 ヘッジ戦略がポイント |
数千億円積み増し デュレーションは長期化 |
外債は機動的に対応 ユーロ債にチャンス |
三井生命 | リスク資産削減 確定利付き債積み増し |
準備金対応で20年中心 デュレーションの長期化 |
ヘッジ付き外債 ドルとユーロ建てで運用 |
朝日生命 | 残高横ばい ヘッジ等検討 |
1200億円積み増し 国債中心に配分 |
残高横ばい 当面フルヘッジ継続 |
大同生命 | 残高横ばい 新規投資は見送り姿勢 |
500―600億円減少 金利上昇なら年限長期化 |
残高横ばい |
太陽生命 | 相場が上昇すれば残高積み増し | 残高は横ばいか微減 金利上昇なら年限長期化 |
外債の残高6000億円 外株は相場上昇で積み増し |
富国生命 | ウエート引き下げの可能性 | 徐々に買っていく。タイミングは分散 | ユーロよりドル資産重視 外債減らし円債シフトも |
個人的な視点で、買い増しには赤字、 ウエイト引下げには青字にしています。
全体を見ると確かに「株の比率を下げて、債券(特に国内)の比率を上げる」会社が多いです。しかも、国内債券のデュレーションの長期化していくということですので、じっくり債券で運用していくつもりなのでしょうか? 今回の金融危機で大分痛手を負ってしまったんでしょうね(^^)
株式は、比率を下げる生保もありますが、機動的に比率が変えられるようヘッジを利用するところも多いですね。 株価が上昇し始めると、意外に株価の上昇速度が加速されるかもしれません。
生保のマネをするか、反面教師にするかは、皆さんの判断にお任せします(^^;
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