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個人向けマネックス債 円高時米ドル償還型

マネックスから新たな社債がでました。
その名も『個人向けマネックス債<円高時米ドル償還型>(愛称)』で、 内容はいわゆる「デリバティブ預金」とか「仕組み預金」とか言われている例の悪名高いアレです。 

最近まで、理解しやすく、利便性もよく、しかもそこそこな条件だったマネックス債(7/5の記事7/6の記事)を出していただけに、非常に残念です。


一応、どういった商品かを書きますと、、
■マネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社 2007年10月29日満期 米ドル償還条件付円建社債
1ヶ月満期 
■ 発行体は、マネックス・ビーンズ・ホールディングス
■ 利払いも日本円で、利率 年8.10%(税引前)
■ 満期時の元本は、円安なら日本円、円高なら米ドルでお受け取り(いわゆる損な方で受け取り)
詳しくは、マネックスのHPで

どう見ても、悪名高い仕組み預金と一緒です。。。一般の人には有利か不利かも判断つかない不透明な商品です。 オプションとかの金融技術が分からない人は買ってはいけません。(逆に理解している方も買わないと思いますが、、、普通にオプション取引しますし)

一応、どういった時に、この商品はどうなるのか(儲かるのか)をケース分けして考えます。






それでは、まずドル円が、114円の時に、このマネックス債を100万円買ったとします。
利子は、円で確定で年率8.10% なので、100万 x 8.1% x 1ヶ月 / 12ヶ月 = 6750円です。


■円高が進んで、ドルで償還される場合、元本割れします

もし、1ヵ月後 113.23円になった場合(0.77円の円高)
元本は、100万円/114 x 113.23 = 99万3246円で、利子は、6750円
合計は、99万9996円、、、元本割れします。


■円安が進んで、円で償還される場合、 本来得られる利益が得られません

もし、1ヵ月後、114.22円(0.22円の円安)になった場合、
元本は、100万円満額日本円で戻ります。 利子は、6750円
よって儲けは、6750円です。 
ただし、114.22円以上になっても儲けは6750円で固定です。

同じく、 例えば、100万円を FX等で運用するとします
今、FXでドル円を買うと1日あたり160円、1ヶ月で4800円のスワップ(利子)をもらえます。
そして、114.22円になったとき、元本は100万1930円で、儲けは6730円です

よって、114.22円(0.22円しか円安になってません)を超える円安について、FXではきちんと得られる収益を全て失うことになります。


まとめ
ドル円が114円のときに、今回のマネックス債を買ったとして、1ヶ月後

・113.23円(0.77円の円高)以下なら、元本割れします。
・114.22円(0.22円の円安)以上なら、本来得られる儲けが、全て破棄されます。

113.23から114.22円の間なら、元本割れせず、しかも他の投資手段より有利に投資することができます

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この記事に対するコメント

無題

円高でドルで支払われた場合円安を待って円転すればいいんじゃないですか?
またFXでそれをやって8%の利子がつくようなやり方はあるんでしょうか?
すいませんあまり理解できてないのでどのへんがよくないのかわからないのです。

【2007/09/15 06:45】たいち #8ddb889ed1()[編集]

Re:無題

>たいち様
実は、本当のリスクは、円安時にかくれています。(本来、儲けられる時に儲けられない)


さて、今回のマネックス債なんですが、じつは「通貨オプションの売り」という仕組みを使っていると考えられます。(また、オプション売りは、一般的に「リターン限定・リスク無限大の商品」と言われています)

このオプション売りのリスクとリターンの関係を見ると、


・リスク: 普通にドルを買ったとした時、円高になったら円換算で損失がでます。逆に円安になったら円換算で利益がでます。 このうちの、「円安になった時の利益を全て放棄しなければいけない」 ということにリスクがあります。

つまり、ドル円が120円に円安になったとしても、為替差益での利益は全て放棄しなければいけません(だから元本が円で戻ってきます。もしドルで戻してくれれば、売ると利益がでるのに、、)。

逆に円高になって110円になってしまうと、為替差損で損失が出ます。(時価評価で損失が出ています。だからMMFで円安に戻るまで待つなどしないといけません)。


・リターン:8%の利子(このうち4.5%ぐらいはドル円の利子、0.XX%ぐらい?は、信用力が低い(BBB+)マネックスに投資する分のプレミアムで、実際の超過リターンは3%ぐらいだと思われます)


つまり、+3%分の収益を余分に渡すから、円安時の儲けを全てよこせと言われているのと同じです。(だからリターン限定・リスク無限大の商品)

このマネックス債を評価する本来の姿は、「+3%の超過収益」と「円安時の儲けの放棄」のどちらが有利かを見極める必要があります。
「+3%の超過収益」>「円安時の儲けの放棄」なら、マネックス債は買いです。 

(上の判断(+3%の超過が有利?)が難しいのでお勧めしません。オプション理論というので、本来は、+何%にするかと言うのは理論的には決められますが、計算に必要な情報が足りないので割愛します。少なくとも手数料分はさやを抜かれています。)


個人的な見解ですが、
円高時は円では元本割れしてますが実はプレミア分だけ条件は良くなっています。(ただし円で元本割れする可能性が高い。 もし円高を予想するなら、プレミア価格と円高する確立を天秤にかけて投資してください)

逆に、円安時の方がリスクで、円安に進めば進むほど、本来得られるべき利益を捨てていくことになります。(円安を予想するなら、普通にドルを買ったほうがいいです)

オプションの売りについては、ここが詳しかったです
http://currencynavi.com/option/optionbasic2.html
(今回のマネックス債は、上のページの「D.プット・オプションの売り」になります)

【2007/09/16 01:39】管理人

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