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売買タイミングを図る難しさを考える

今のような弱気相場が続くと、「バイ&ホールドで良いのか? 取りあえず売っておいて相場が底打ちして強気相場が始まったら投資した方が良いのか?」などと考えてしまう方がいるかも知れません。 でも、投資を突詰めて考えると「安値で買って高値で売る」ことが原則なので、今売ることは全く合理性に欠ける気がしませんか?

そもそも、高値・安値が分かるなら今頃莫大な富を築いていると思いますが、売買タイミングを図る投資を薦める方に出会う頻度よりも、成功者に会う数の方がずっと少ない訳で・・・(汗)。 良いところで暴落開始後しばらく確認して駄目だと思って売り、底値を確認して大丈夫と確信してから買う人を何人か見かけるぐらいでしょうか。 高値で買って安値で売る(+往復ビンタ)方は沢山見かけますが(汗)


ということで、今回は08/07/07に取上げた「売買タイミングを計る戦略の罠」に情報をプラスして再度取上げます。
簡単にまとめると、「タイミングを図る事がいかに難しいか」「そのせいで、失うリターンがいかに多いか」という内容です。



前回(08/07/07)の記事「売買タイミングを計る戦略の罠」からの引用

Total US Stock Marketの1975年から2005年まで(30年分)のデータで、最も上昇率が高かった日の30日(1年で1日換算です)を除いた時のリターンの差です。

まず、1975から2005年まで売買せずホールドしたときの結果
$1000 が、 $52113 に上昇 (52倍に資産が増大)

次に、1975から2005年の間、惜しくも年に1度程度上昇局面をとらえなかった時の結果
(30年でもっとも上昇率が高かった30日を除いてホールド)
$1000 が、 $15087 に上昇 (15倍に資産が増大)


割合として1年に1日。 そんな上げ相場を逃がしてしまうと、なんとリターンが3分の1になってしまいます。 
1年に1度の上昇相場の日を言い当てるなんて不可能です。下手にタイミングを図るよりもバイ&ホールドで市場に居続ける事がどんなに大切なことかを改めて実感します。


では、このような逃してはいけない上昇相場はいつ発生することが多いのでしょうか??
dshort.com > The Best & Worst Dow Days によると、 実は、今のような弱気相場の時に発生することが多いようです。

ダウ急上昇の日
The Best & Worst Dow Days より引用)

上図は、米ダウが急上昇した日と上昇率を表にしたものですが、どれも弱気相場の時に発生しているようです。

「弱気相場だからタイミングを図って買い戻そう」など考えている方、 こんな時期こそ逃してはいけない急上昇の日が発生する場合が多いんですよ。 もし、急上昇の日を逃してしまうと著しくリターンを落としてしまいますので、気をつけてくださいね。

改めて、、「バイ&ホールド・・・、実は馬鹿に出来ない戦略です。」
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この記事に対するコメント

無題

そうですか。やっぱり売買タイミングを狙う投資って、難しいんですね。

でも上昇率が高かった30日を除いてホールドという概念は、あまりにも無理やりなような気がします。
上昇が大きな日だけ除いたら、資産がの上昇率が低くなるのは当然だと思います。
急上昇した日と急下降した日は、結構近い日に存在します。おそらく、急下降後の戻し、もしくはその逆だと。去年の10月も10%下降後の次の日、10%上昇という大荒れの時期がありましたから。
なので、単純に急上昇した日を差し引くのはまずいと思います。

【2009/01/29 01:15】やすとも #56ca88f049(URL)[編集]

Re:無題

やすともさん、こんばんは。

やすともさんのように、(上場/下落を含めて)株価の動きがなだらかな上げ下げでなく、”重要な相場”となる数日と、”あまり影響がない”沢山の日で成り立っているのさえ押さえていれば、良いと思いますよ。

「バンッと大きく相場が下落してしまい一時撤退、底値を確認してから再チャレンジ」や「キャッシュポジションが多い方が、底値を狙おうと考えている」などがいれば、”大相場は落雷のようにやってくるので、タイミングを図るのは無駄ですよ”と教えてあげてください。

【2009/01/30 00:38】管理人

無題

今は決算期なので個別株に関しては個別に思惑があると思いますが
なるほどそういうものでもないんですね。
今日は例えば8316や8306なんか気配見てすぐ寄りで売っちゃいました。
いずれも一昨日の急落で買ったばかりでしたけど。

思い起こせば、私自身、中国株のバブル時は、30~50%くらい騰がれば利確。
で売った額より高いところでまた買いなおし、さらにもっと細かい値幅で利益確定てな感じで、
たしかになんもしないのに比べれば大きな利益を享受し損ねた感は強いです。
もちろん暴落時もすぐ逃げてしまうので致命傷は避けられましたけども、考えさせられますね。

ちなみに私の株始めは2004ですが、現在までのパフォーマンスはおそらく300%くらい(外国株を計算するのがメンドイ)じゃないかなと思います。
投資額にほぼ相当する分はすでに住宅ローン返済や遊興費で回収しており、残金も大切なお金ですが、事実上今は完全に株遊びを続けているだけなのかもしれません。

ちなみに昨年は先日きた書類をみたら1000万円の実現損を出していました。
もしも2007後半から投資をはじめていたとしたら、完全に放り投げて二度とやらんと思ったかもしれませぬ。
今年は年初すぐ大きく利益確定しましたが、どうなることやら。。。

【2009/01/30 01:36】七誌 #553c80c2f9()[編集]

Re:無題

七誌さん、こんばんは。
まだまだ利益が乗っているようでおめでとうございます。
短期・長期投資関係ない教訓として「投資するなら余裕資金」という事ですね。余裕資金なら損害が出ても冷静な判断をくだせますし、精神的なストレスも少なくてすみますし。

【2009/01/31 00:39】管理人

最終的にはバイ&ホールド

今回のクレジットバブルの調整局面でインデックス投資家が失敗した原因は、まさに記載されている通りです。
要するに、上昇相場を逃す恐怖心から、すべての下落を受け入れてしまったためです。

相場下落時には、バイ&ホールドよりもマーケットタイミングの方が優れているのはデータとして出ていても、やはり個人がマーケットタイミングで投資することは難しいと思います。

http://dshort.com/articles/SP500-monthly-moving-averages.html

・マーケットタイミングは確実ではなく難しい
・名目上は世界経済は成長していく

ということを考慮すると、長期的にはバイ&ホールドは有効だと思っています。

株式のみが債券、コモディティ、不動産などの他の資産を大幅にアウトパフォームすることなど理論的にありえません。(ただし、クレジットバブルが発生していれば別です)
そして、歴史的にみて株式は依然割高です。

ただ、株式は依然割高という事実もかわらないことにしましょう。その場合、残された選択は「多くの資産に配分する」ことだと思います。

【2009/01/31 15:23】グラフトン通り #294e8ec956(URL)[編集]

Re:最終的にはバイ&ホールド

グラフトン通りさん、こんばんは。

>インデックス投資家が失敗した原因は、まさに記載されている通りです。

結果的には売却タイミングを逃して短期的に見れば失敗したという話は、今回の記事には書かないようにしたんですが、端々に感じてしまいました??(汗)
どちらかというと、重要な上げ相場は、今のような時期に来るので、ホールドした方が正解ですと言いたかったんですが・・・・。

>株式のみが債券、コモディティ、不動産などの他の資産を大幅にアウトパフォームすることなど理論的にありえません。

でも、ジミーシーゲル博士の本を読むと、それでもリスクが取れる限り株式に入れたいんですよね(^^; リスクは高いですが(私はリスクへの耐性がそこまでないですが)、経済の成長を一番取れるのは株式ですし、、、

【2009/02/01 01:30】管理人

理解できました。

理論的であるはずのインデックス投資家が、株式に多く資産配分するという理論的でない判断をしていることに、今まで理解できないでいました。

リンクのグラフを見ると、そのように判断してしまうのも仕方がないと思います。

ありがとうございました。

【2009/02/01 17:58】グラフトン通り #294e8ec956(URL)[編集]

Re:理解できました。

グラフトン通りさん、こんばんは

ご参考になれば幸いです

【2009/02/01 23:06】管理人

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