Date:2008/04/27 23:54
MONEYzineのサイトに刺激的なタイトルの記事が掲載されていました。
「長期投資には罠がある デイトレーダーこそ賢明な投資家だ 」
上の記事を読んでもらえると一目瞭然なのですが、トピックスだけ引用すると
-----引用開始-----
翌日も相場が上がるとは限らない
長期投資家の方が愚かだと思う
デイトレーダーは馬鹿なのか
評価損を抱えている投資家は馬鹿
-----引用終わり-----
といった感じで、簡単にまとめると、
- ディトレーダーはリスク管理をきちんとしている(<毎日ポジションを閉じることを意味するらしい)、懸命な投資家。
- 長期投資家は、キャパを超えたリスクを取る(<株は塩付け。リスクに鈍感な投資家を意味するらしい)、おろかな投資家。
「長期投資家 vs 短期投資家」の話は、(投資の世界の)宗教戦争のような物であり、それぞれの主張は以下のとおりだと思います。
短期投資家
・投資資金を塩漬けにすることがない。 だから、資金の効率が良い。
・長期のことは分からない、短期で小さく何回も稼いだほうがよい。
長期投資家
・トレンドにのった長期投資の方が、最終的な利回りが高い。
・短期の動きはファンダメンタル的にもチャート的にも予測不能。
では、どちらの投資の方が良いのでしょうか? 多分最終的には自分の性格にマッチした投資スタイルが正解であると思います。 私は、性格的に長期が向いていると感じていますので結果的に長期投資家です。
ただ、この記事には大きなミスリードがあります。
この記事を読んで開始したデイトレーダはきっと、”愚かな投資家”になる気がします。
該当記事では、デイトレードを進めていますが、以下のような内容がごっそり抜けています。
問題点1) 手数料を全く無視している点です。
投資で一番の天敵はコストです。 コストが1%の違う場合に将来のリターンがどの程度違うかご存知でしょうか? 過去の記事で話題にしましたが(4/13:「あなたは、正しい投資をしていますか?」)、
-----引用開始-----
平均年率8%のリターンがあるとして、そのファンドに1万円(サイトではドルと書かれてますが、分かりやすいように変更)を30年投資したとする。そのときに、年率0.5% のファンドと、 年率1.5% のファンドの収益の差を考えると、、、
年率0.5% のファンド: 8万6578円
年率1.5% のファンド: 6万3944円
-----引用終わり-----
と大きな違いが出ます。 ではディトレードの場合どれくらいのコストがかかるのでしょうか??
コストが安い(と思われる)Eトレードの場合、1日100万円までのトレードだと900円です。割合にして0.09%。 大した額でない気もしますが、毎日トレードすることを考えると、300日x0.09%=27%です。
投資結果はさておき、マイナス27%からのスタートです。
証券会社のカモですね。 間違ってもこういう愚かな投資家になってはいけません。
もちろん、リスクを避けるためにポジションを閉じるというやり方は正しいと思います。私も大きな指標が出る前は買いを控えたり(売ることはないですが(汗)) することはあります。
ただ闇雲にポジションを閉じるよりも、コストも考えポイントを押さえた方がよろしいです。 (重大な指標発表前、長期休暇前など)
問題点2) 時間対効果も無視されている
個人投資家の最大の財産は、”時間”です。 給料、は貴重な時間を切り売りしてもらっているような物です。また、お金持ちになりたい理由も、有意義な時間を沢山過ごしたいからではないでしょうか?
デイトレードは、朝9時から昼3時までの時間を消費していることに早く気が付くべきです。
その時間、アルバイトで稼げとは言いませんが、趣味の時間や、自分を高める時間として有意義に使うべきです。
問題点3) 短期投資は株価が予想しやすい。
「長期の未来のことは分からないが、今日の事なら予想が付きやすい」という記述があります
もし、そんな魔法の小箱があるなら、私もデイトレードに移ります。
単純に考えれば、短期的に見れば市場はゼロサムゲームです、いくら頑張ったとしても勝つか負けるかは5分5分です。 そして、その勝負の平均値がTOPIX等のインデックスになるのです。いくら頑張っても期待値はTOPIX等のインデックスは超えることはできません。
また、デイトレードの場合の株価予想は、ファンダメンタルズでもチャートでもありません。隣の投資家をどう出し抜くかの世界です。 そんな世界で本当に予想できるのでしょうか??
ツッコミを入れたい部分1) 長期投資家はリスクを負いすぎ
「長期投資家は、値が下がると株を塩漬け」という記述がありますが、それはかなりの誤解だと思いますね(^^;
私に言わせれば、短期投資家の成れの果てだと言いたいです。
短期投資崩れ=長期投資家と一緒にして欲しくないです。
まとめ
・株価の予想は、長期であれ短期であれ、誰にも分かりません。逆に、コストについては明確に計算でき自分でコントロールできます。
・人を出し抜いて利益を稼ぐことは長期的には困難です。 そのような考えを持った人、凄腕トレーダ、海外投資家、、、などの全ての投資結果をまとめて平均したものがTOPIX等のインデックスであって、長期的にはTOPIX等に収斂してしまいます(コストを考えないとしても、コストを入れると負けます)。
もしあなたが、費用を沢山かけて企業の調査をしているプロの投資家に勝つだけの能力があるのならデイトレードもお勧めします。
しかし、誰もが知っているチャート分析や投資本やメールマガジン等の推奨銘柄で売買するだけでしたら、長期的には勝てないのは目に見えています。
ですので、デイトレードではなく、もっと賢い投資方法を見つけましょう。
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この記事に対するコメント
同感ですね
全く持って同感です。
こまめに取引すると(特に株式は)手数料だけでも
馬鹿になりませんからね。(苦笑
初回購入手数料0~3%で世界の優良投資信託を購入する方法がわかりましたので
状況が許せ次第(多分来年?)こっちへ移行して
ゆったりまったり投資で年利10%近くを狙いつつ
のほほんと海外投資をやって行きたいです。(笑
なお、この方法ですけど
とあるその筋では有名人から直に電話掛かった時は
ビックリしました。
ので迷わずその詳しい資料の請求を依頼しました。
Re:同感ですね
雪風さん、こんばんは、
>初回購入手数料0~3%で世界の優良投資信託を購入する方法がわかりましたので
>なお、この方法ですけど
>とあるその筋では有名人から直に電話掛かった時は
>ビックリしました。
>ので迷わずその詳しい資料の請求を依頼しました。
コメントの字面だけを捕らえますと非常に怪しいんですが(笑)
海外のファンドは手数料5%などを見かけるので、いつも「高い」とうなっていたんですが、、色々方法があるんですね。
(ヘッジファンドなんかだと販売代理店によれば、キックバックがある等聞いたこともありますが、、、)
さすが、世界を股に掛ける投資家だけありますね。私では到底追いつかない世界です。
無題
雑誌は金融機関の広告をたくさん載せてますからね。
短期で売買を多くすれば、広告主が喜びます。
逆に広告主に不利な情報は知ってても書かないですよ。
新聞も同様ですけど。
デイトレーダーに関しては、少しでもプラスの人は
素質があるんでしょうね。
自己流で、儲かる方法を発見した人は立派です。
あんなに売買を繰り返してプラスなんですから。
デイトレの世界も格差がすごいんじゃないでしょうかね?
ギャンブルとして楽しむ(リスクを許容できる)のであれば、
短期勝負もおもしろいかもしれませんね。
儲けようと思ってる中途半端な人がやったら大損でしょう。
そもそも短期ってどのくらいの期間をさすのですかね?
自分の中では、3ヶ月は短期だと思ってますが。
1年は長期とは思えないし。
Re:無題
桜大和王さん、こんばんわ
>デイトレーダーに関しては、少しでもプラスの人は
>素質があるんでしょうね。
>自己流で、儲かる方法を発見した人は立派です。
>あんなに売買を繰り返してプラスなんですから。
>デイトレの世界も格差がすごいんじゃないでしょうかね?
記事にしようかと思っているんですが、
北米証券監督委員会のデイトレードについて調査レポートを発見しました。
それによると、デイトレードの70%に人が投資資金を失っているようです。
そして、11%の人は成功しているそうです。(ただ、曝しているリスクの方がリターンより大きいらしい)。
やはり、デイトレードは厳しい世界です。
>そもそも短期ってどのくらいの期間をさすのですかね?
>自分の中では、3ヶ月は短期だと思ってますが。
>1年は長期とは思えないし。
数週間ぐらいで取引する(スイングトレード)あたりまでが短期売買に入るのはないでしょか。
長期投資は、、難しいですね。 5年から無期限(一生)まででしょうか??
残りの間は中期トレード。
あくまでも、個人的な考えですが、