Date:2009/06/03 01:18
日本にはありませんが、米国には、日々のある株価指数(NYダウなど)の動きの2倍の動きをするUltraETFというものがあります。例えば、1日に100円株価が上昇した場合、UltraETFの価格は200円上昇します。同じようにUltraShortETFというものもあります。これは日々の株価の動きのー2倍の動きをします。同じく1日に100円株価が上昇した場合、UltraShortETFは200円下落します。
同じような仕組みの投資信託は日本でも購入できます。こちらは「ダブルブル(指数の2倍に連動)」「ダブルベア(-2倍)」ファンドと呼ばれていたりします。
海外では意外と人気があるらしいのですが、特性を理解しておかないと思ったとおり収益が得られなかったということが起こりそうです。
その重要な特性というのは、「株価の日々の値動きの2倍の値動きをする」ということですが、重要なところは「2倍」ではなく「日々」というところにあります。
例えば、ある株価指数(NYダウやTOPIXなど)が過去4日間以下のような値動きをしたとします。
(少し値動きが激しいですが、、、、、)
91%(9%下落)
105%(5%上昇)
93%(7%下落)
113%(13%上昇)
そのときに、株価指数(1倍)とUltraETFもしくはダブルブルファンド(2倍)の値動きがどうなるかを確認してみます。スタートは10000円で計算。
株価指数(1倍) | UltraETF(2倍) | |
スタート | 10000 | 10000 |
1日目 | 9100 (9%下落) | 8200(18%下落) |
2日目 | 9555 (5%上昇) | 9020(10%上昇) |
3日目 | 8886(7%下落) | 7757(14%下落) |
4日目 | 10041(13%上昇) | 9774(26%上昇) |
株価指数(1倍)は上下しながらも4日目に元の価格に戻っていますが、UltraETF(2倍)の場合は、まだ価格が戻っていません。
つまり、「UltraETFもしくはダブルブルファンドは株価指数の2倍の値動き」=「レバレッジ2倍」と考えて投資すると予想外の結果になってしまいます。
あくまでも「UltraETFもしくはダブルブルファンドは、株価の日々の値動きの2倍の値動きをする」ということを忘れてしまわないようにする必要があります
たった4回のシミュレーションでも指数からの乖離がでますので、長期運用で使用した場合は元の指数からの乖離がどんどん大きくなってしまいます。(10年後にはどの指数に連動しているかも分からないかも(汗))
レバレッジをかけて長期運用時には、間違って選択しないようお気をつけください。
(ひょっとすると次回につづく?)
■参考情報
SeekingAlpha > Benefit from Ultra ETFs' Tracking Error
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