Date:2008/07/27 00:05
少し前から「moneychimp」のサイトの内容を紹介してきましたが、久しぶりにその続きです。過去の内容
- (7/4) 短期的には、非効率で異常なマーケット
→株価の動きは、短期(日or月単位)で見るとランダムでは説明できない下げが存在する。
- (7/7) 売買タイミングを計る戦略の罠
→タイミングを計るのは予想以上にリターンを下げる可能性が高い。
ここまでだと「投資はやっぱり難しい」となりそうですが、我々投資家には朗報があります!!
「長期投資」を行うことによって不安定さを取り除くことができます(我々にとっては、あたりまえですよね)。
例えば、S&P500の1871年から2007年のデータ(インフレ調整済み)を使うと
- 投資期間1年なら、平均リターンは8.2%であるが、標準偏差は18.7%もあり、最悪-38.3%(1974)も負けてしまう
- 投資期間30年なら、平均リターンは6.2%であるが、標準偏差は1.7%に抑えられる。最悪でも2.8%のプラスリターン(1892-1921)
そうすると、「何年保有すればいいの、10年、20年?」「どの程度の保有でリスクがどの程度下がるの?」という話が出てくると思いますが、この疑問を(一部?)解決してくれるデータもあります。
またもや、「moneychimp」のデータですが、「Risk and your Time Horizon」に簡易計算機がありました(右)。 データとしては、S&P500(配当込み)の1871年から2007年を使ってある期間のリターンとリスク(インフレ調整あり/なし)を見ることが出来ます。 |
そして、その計算機を使い、以下にインフレ調整済みの結果をピックアップしてみました。
投資期間(年) | 年率平均リターン (%) |
標準偏差 (%) |
補足 |
1 | 8.2 | 18.4 | 1年で-38.3%も負ける時も |
3 | 7.1 | 10.3 | 3年で-20.2%も負ける時も |
5 | 6.9 | 7.9 | |
7 | 6.8 | 6.4 | 平均リターンと標準偏差が逆転 |
10 | 6.8 | 5.2 | |
15 | 6.7 | 4.1 | 最悪の15年で-2.6%のまけ |
20 | 6.5 | 3.2 | 最悪の期間でも負けなし(0.2%) |
25 | 6.4 | 2.3 | 最悪の期間で2.4%のリターン |
30 | 6.2 | 1.7 | |
40 | 6.2 | 1.4 | |
50 | 6.3 | 1.2 | 最悪50年で4.3%のリターン |
もちろん、アメリカのデータですので、その他の地域の投資に有効かどうかは疑問点は残りますが、ポートフォリオの一部に米国株もきっと含まれていると思いますので、まったく意味ない数字だとも言い切れないと思います。
結果は、もちろん過去のデータですので将来を保証する物ではないのですが、より長い期間投資すればするほど、最低でもインフレに勝つという傾向は信じられるのではないでしょうか?。 (このデータを見ると、、どの時期に投資したとしてもインフレに負けない、20年は保有したいですね。)
「ビバ!! 長期投資(笑)」
とはいっても、1つだけ気をつけて欲しい点があるようです(moneychimpの記事にも書かれていますが)。
それは、単純に長期投資がリスクを減少させる訳ではないこと。
例えば、
- PERが以上に高い時期に株を買えば、平均リターンは下がってしまいます。
- スタブレーション(物価上昇+景気減速)の時期にも、悪い結果が集中。
単純にバイアンドホールドではなく、経済状況を見ながら調整が必要なのかもしれませんね。
もちろん、「バブルは弾けてみないと分からない」のですが、年に1度のポートフォリオのリバランスだけでも効果があるとは思います。
■参考情報
moneychimp > Risk and your Time Horizon
PR
この記事に対するコメント