4/27の記事「長期投資家 vs 短期投資家」では、
-----引用開始-----
・株価の予想は、長期であれ短期であれ、誰にも分かりません。逆に、コストについては明確に計算でき自分でコントロールできます。
・人を出し抜いて利益を稼ぐことは長期的には困難です。 そのような考えを持った人、凄腕トレーダ、海外投資家、、、などの全ての投資結果をまとめて平均したものがTOPIX等のインデックスであって、長期的にはTOPIX等に収斂してしまいます(コストを考えないとしても、コストを入れると負けます)。
もしあなたが、費用を沢山かけて企業の調査をしているプロの投資家に勝つだけの能力があるのならデイトレードもお勧めします。
しかし、誰もが知っているチャート分析や投資本やメールマガジン等の推奨銘柄で売買するだけでしたら、長期的には勝てないのは目に見えています。
-----引用終わり-----
というまとめをしました。
ただ、これも机上の空論とツッコミを入れられると返す言葉もありませんので、何かバッググラウンドになるようなデータがないものかと少し調べていました。
そうすると、アメリカの投資家の調査なのですが、”デイトレーダーの7割は資金を失っている”という結果がありました。
調査を行ったのは、NASAA(North American Securities Administrators Association 北米証券監督者協会)で、1999年に行われた内容です。
詳細は、「NASAA Day Trading Report」をごらんください。
調査報告の結果を先に書きますと
- 口座開設期間の平均は4ヶ月。 その間の売買回数は278回
- 資産に対するコストの割合(cost/equity ratio = コスト÷保有資産)は 56%
- 全体の70%の口座が、損失を抱えている
- 全体の11.5%の口座が、短期売買で成功している。
だそうです。
この調査が行われた背景は、1999年前後にデイトレードで損失を抱えた投資家が発砲事件などを起こし社会問題になったために行われたようです。
調査は、1999年でデイトレードを行っている口座を任意に30口座選(実際は重複口座があるため26口座)を選び、4ヶ月間のトレード(4093回の取引)結果を分析した結果です。
期間やサンプル数については、若干少ない気もしますが、傾向としてはつかめるのではないでしょうか。
確かに成功している人も1割弱はいるようです。 日本においても「1年で1億円稼いだ」のような書籍を見ますので成功する人は確かに存在するのだと思います。 ただ、貴重な資産を投げ打って勝負するには分が悪すぎます。
あと、デイトレードはコストがかかりますね。 56%(^^;)がコストだと、期待リターンは0.44です。
こんな不利な条件で勝とうと思うほうが間違いですね。
期待リターンで言うと、宝くじ(期待リターン=0.5)や、競馬(期待リターン=0.7)の方が、よほど合理的な投資先(??)ですね(笑)
■参考情報
NASAA Day Trading Report > 調査結果PDF

この記事に対するコメント
これは面白いデータですね
これは非常に多くの人間が興味あるで
あろう記事ですね。
国別やら世界やら多様なカテゴリで大規模に
やってみたら非常にいいものできそうですw
でも、さすがに30(26)口座は少ないですね~
国内の投資対象別などのcost/equity ratioはデイ・長期
などのカテゴリで統計出してほしいですね。
fxに関しては確か今年から(?)
取引のデータを国税局(かな?)が証券会社などから
取得できるようになったらしいですから、統計調査も
簡単になると思うんですけどねー・・・。
(というより会社がデータの提出義務を負うという話だと思いますが・・)
Re:これは面白いデータですね
bonoさん、こんばんわ
>国別やら世界やら多様なカテゴリで大規模に
>やってみたら非常にいいものできそうですw
私敵には贅沢は言いませんので(笑)、米国でなく国内データを見てみたいです。何かの機会で米国以外のデータを発見しましたらまた記事にしますね。
>fxに関しては確か今年から(?)
>取引のデータを国税局(かな?)が証券会社などから
>取得できるようになったらしいですから、統計調査も
>簡単になると思うんですけどねー・・・。
FX+国税局となると、確定申告漏れを摘発するためでしょうか?
統計情報も開示してくれると嬉しいのですが、、あまり期待できない気も、、
手数料ならば
手数料は株式はまだ徴収するんでしょうかね?
それが無ければリターンがもう少し増えるんでしょうが(笑
先日書いた手数料を格安で優良投信買う方法ですが
ラップ口座を使います。
ラップ口座とは権利は投資家なんですが、売買名義は発注する
代理店名義な為手数料は機関投資家並みにする事が
出来るんです。
アドバイザリー料だけなんで実質1パーセント程度
代理店は日本にもあるんで当然日本語OK
ただし英国又は香港の銀行に口座を保有してないと
ダメですが
Re:手数料ならば
雪風さん、いつもどうも。
>手数料は株式はまだ徴収するんでしょうかね?
0円はさすがに、証券会社が潰れそうなので(笑)、今のネット証券の水準ぐらいでしたら許せるレベルでしょうか? 株式以外の商品はもう一歩努力して欲しいですね。
>先日書いた手数料を格安で優良投信買う方法ですが
>ラップ口座を使います。
日本だと、ラップ口座=高い手数料を取られるイメージがあるんですが、海外だとそういう裏技もあるんですね。 しかも国内でもそういうサービスを中継してくれるんですか、奥が深いですね、、、
>ただし英国又は香港の銀行に口座を保有してないと
>ダメですが
なるほど、、、そこがボトルネックです(汗)