いつも愛読している「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」で面白い記事がありました。
「FXのスワップ狙い」は外国債券投資の代わりになり得るか?
-----引用開始-----
個人的には、本当に「FXのスワップ狙い」が外国債券投資の代わりになり得るか?という疑問を抱いていました。
いろいろ調べていましたが、現在は、(間違っているかもしれませんが)自分なりの結論が出ています。
それは、「No」です。
(略)
要するに、FXは、
・インカムゲインの源泉が、金利ではなく、2国間の通貨の金利差である
-----引用終わり-----
コメント欄にも面白い指摘がたくさんありましたので、記事と合わせて読むと参考になると思います。
私も、「FXスワップと債券の利子は違うもの」という認識ですが、
やり方次第では近い状態にすることも可能です。
まずは基本的な事項の確認として、FXスワップ狙いと債券投資の違いをまとめますと、
・FXは2国間の金利差
・債券は投資先の国の金利
という点です
例えば、解りやすく「日本の金利が3%、アメリカの金利が3%と仮定した場合に100万円を投資する」と1年後には、、
・アメリカの債券に投資: 103万円
・日本の銀行に預ける: 103万円
・FXでUSD/JPYのロング保有: 100万円(スワップはなし)
というように違いが出ます。
よって、結論を先に書くと、
「日本の金利が0%に近いときはFX=債券投資だが、金利差が縮まればFX≠債券投資」
になります。
では、もう少し、FXを詳しく掘り下げて考えてみます。
まずは、FXの仕組みを分解してみます。
例えば、FXで114万円で、USD/JPY=114円でUSD/JPYを買う場合
1.114万円を証拠金としてFX業者に差し出す。このお金は信託保全(金利0%)されます。
2.114万円の円を借ります。(いまだと0.5%の金利を支払います)
3.借りた114万円で1万ドルを買います。これには4.25%の金利がつきます。
だから、2と3の間の取引の結果、3.75%のスワップをもらうことができます。
さて、ここから本題ですが、FX=債券にするためには、
上記1の部分をいかに効率よく運用できる仕組みを作られるかということになります。
今のところ考えられる手段としては以下のようなものがあります。
a. 証拠金の一部を銀行に預ける、もしくはMRFで運用する。
もちろん、急落する時にマージンコールが起きない程度の証拠金を残こす必要があります。
(その分は、やはり効率が落ちますが、、)
b. 証拠金の一部に現金以外のものを使う。
例えば、カブドットコムのFXの場合、証拠金に投資信託や株を使うことができます。
そして、証拠金として使う予定のキャッシュを短期金利の市場で運用する。
(詳細は、過去の記事にも書いています。)
c. 証拠金にも金利がつくFX業者を使う。
参考程度に紹介しますが、FROM EAST証券では、証拠金にも金利がつくようです。
(詳しくは、FROM EAST証券のサイトで)
※ただ、FROM EAST証券について、どの程度の信用力がある会社かは調べていませんので、もし口座を開くのでしたらしっかり調査してからにしてください
以上が、FX=債券にするための施策でしたが、FXの魅力は、必要に応じてレバレッジを掛けられる所だと思います。
2倍ぐらいの低レバレッジなら、株よりもボラティリティが低く金利も2倍もつきますので面白い投資先だと思います。
この記事に対するコメント
手数料のせいか…
外債=FXでないというのはその通りだと思います。あくまで外債≒FXです。
ただし…
概念は、投資先の金利vs2国間の金利差で異なるもので、この理論だと
FX(円売)と外債だと外債の方が受け取れる金利収入は多くなるはずです。
しかし、投資家の立場から実情を見ると必ずしもそうとは言えません。
南アフリカの政策金利は少し前まで10.5%で現在は11%ですが、ランド債券
では9%台が多いようで、10%台は見ません。
ZAR/JPYのスワップを見ると1日辺り45-46円の業者があります。FXでの
スワップ益はZAR/JPYの為替レートが日々変るために計算が難しいですが、
1年平均を16.5円として1日平均45円のスワップ益を得られるとすると
9.95%の利回りに置き換えられます。
こうなると日本の金利分が引かれているはずのFXの方が年利回りがいいと
いう計算になります。
外国債券の場合は、為替手数料が高めなことと、すでに見えない手数料が
引かれているという点で、円低金利の現状に限って言えば、利回りはFXに
劣っています。
このように、理論上は利回りがいいはずの外債が、(見えない)手数料の
差などでFXの利回りより劣るということもあるので、現実は難しいところ
です。
Re:手数料のせいか…
吊られた男さま
>このように、理論上は利回りがいいはずの外債が、(見えない)手数料の
>差などでFXの利回りより劣るということもあるので、現実は難しいところ
>です。
そうですね、債券の場合は手数料が利回りに内包されてしまうので、実際どのぐらいの手数料が引かれているかが分からないですよね。南ア債券の売出し条件をみると、そこそこ利ザヤが抜かれている気もしますね。
途中換金時の売値がすぐ調べられないような商品は、近寄らないほうがいいかもしれません。
とりあえずはFXで置き換え中です
投資信託でも信託報酬等のコストで長期的にはインデックスに勝つのは困難なように、外国債券投資にしても手数料の与える影響度が大きく困りものです。
南アフリカランド債購入を検討したのですが、この手数料を考えて、現在の円低金利という条件がある今のところはFXでのZAR/JPYロングにしています。
ちなみに、水瀬さんのところでは、内心ヒヤヒヤしながら理屈っぽいことを書かせてもらっております…--;
Re:とりあえずはFXで置き換え中です
吊られた男さま
>南アフリカランド債購入を検討したのですが、この手数料を考えて、現在の円低金利という条件がある今のところはFXでのZAR/JPYロングにしています。
私もFXをやっていますが、やればやるほど「良くできた商品だ」と感じます。
たぶん機関投資家と同じような環境で勝負できる唯一の場じゃないでしょうか?
>ちなみに、水瀬さんのところでは、内心ヒヤヒヤしながら理屈っぽいことを書かせてもらっております…--;
コメントされているのは拝見していました(^^;
他の方のコメントを含め興味深く読んでます。