Date:2007/09/17 22:12
昨日の記事の続きで、
- リバランスの必要性:リバランスって本当に必要? 頻度は?
- クレジットリスク:ハイイールド債(低格付け債券)は本当にハイリスク、ハイリターン?
- 国際分散:新興市場のリスクについて
について視聴した内容まとめます。
上記以外の内容については過去の記事(その1、その2、その3)を参照してください
リバランスの必要性
通常アセットアロケーションを決定すると、一定の割合が保たれるようにリバランスを行いますが、その効果について検証されていました。
例えば、1976-2006年の間、株と債券を50%ずつ持ち、リバランス(年1回)とリバランスなしの時のリスクとリターンについてですが、
リスク | リターン | |
リバランスなし | 約11% | 約6.8% |
リバランス(1年1回) | 約8.7% | 約7.4% |
のようになるようです。
株高の時は株を沢山持ったほう(ポートフォリオのバランスを株にオーバーウェイトする)が、収益が良いとか思われがちですが、やはりリバランスしたほうが、リスク減リターン増になるんですね。
次に、リバランスの頻度ですが、同じ期間のデータで、
頻度 | リスク | リターン |
毎月 | 約8.6% | 約7.0% |
6ヶ月 | 約8.6% | 約7.3% |
1年 | 約8.7% | 約7.4% |
頻度では若干差が出るようですが、特に目立った差ではないですね。
年1回ぐらいで十分そうですね。
ハイイールド債(低格付け債券)は本当にハイリスク、ハイリターン?
1983-2007年の米国市場のリスクとリターンデータですが、
リスク | リターン | |
国債 | 約5% | 約8% |
AAA , AA債 | 約6% | 約9% |
BBB債 | 約7.7% | 約9.7% |
大体ハイリスクハイリターンの関係が成り立っています。
ところが、CCC格付けの債券の場合、
リスク | リターン | |
CCC債 | 約13% | 約7% |
となります。リスクは大きく上がっているのに、国債よりリターンは悪くなようです。
あまり格付けの低いのは債券は投資対象としては駄目なんですね・・。
国際分散の重要性
今、BRICSや TIPS/VISTA等のアジア系の投資が流行っていますが、新興国株式のリスクの大きさについての話がありました。
新興市場は、規模は小さいので価格変動性が多き。リターンもあるが、リスクはすごい。
1985年からのデータを用いてリスクを算出してみると、
・先進国の市場のリスク:15%
に対し
・インド、タイ、韓国、台湾、マレーシア、メキシコ、、etcのリスクは、30%から50%にもなる
・さらにブラジル等は、リスクは85%にもなっています。(インフレが起こったので)
非常に恐ろしいですね。やはり新興国の投資は、広く分散させるべきだということを再認識しました。
東南アジアの2,3国のみ投資対象にしているようなファンドの購入を考えている方、今は大丈夫かもしれませんが、実はハイリスクです。注意して投資してください
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この記事に対するコメント
新興国の投資の件
はじめまして、Kenと申します。
最近貴殿のブログに会い楽しく読まさせて頂いております。
小生は投資信託、FX,貯金等で資産を運用しております。
ポートフォリオは、日本株 25%、海外株16%、
海外債権 23%、その他 10%、現金 26%で現金が多すぎ、現在中国株の投資信託を考えています。 先月中国株の
投信を始めた所、40日で16%のリターンになり自分でも驚いています。この先、更に中国株の投信を購入する予定です。
中国株の投信の比率はMax10%位でしょうか?
Re:新興国の投資の件
>はじめまして、Kenと申します。
>最近貴殿のブログに会い楽しく読まさせて頂いております。
はじめまして、いつも読んでくださってありがとうございます。
その一言が、私のやる気UPに繋がります(^^;
>中国株の投信の比率はMax10%位でしょうか?
中国市場について買う買わないの判断は非常に難しい問題ですね。
ということで、判断材料のみのご提供でお許しください。
・比率という点で言うと新興市場全体で5%ぐらい。
何も考えないで一番効率良く投資するなら、各国の株式時価総額の割合でポートフォリオを組むのが効率的であるといえます。今株式市場は、アメリカ・日本・ヨーロッパ・イギリスの上位4カ国で95%を占め、残りの5%がその他の国です。
バランスから言うと、中国10%は、Kenさんの中国に対する判断が強いならOKかもしれません。中国をニュートラルで判断するなら多すぎるかもしれません。
・中国市場の判断は、バブル気味かも、、
株価が適正かをみるのに、PER(株価/収益)を使うと判断しやすいと思います。
世界的にみると、PERは、15-20倍程度です。日本は比較的PERが高くて20倍ぐらい
でも標準といわれていますが、、(PER20倍は、企業収益の20倍が株価と同じ、
つまり、20年間持ち続ければその収益で株価がペイできます。 また、逆数をとって
利率にする場合もあります、20倍=年率5%、理想的な環境だと年率5%で企業価値(=株価)が上がる。 日本債券だとまだ2%前後なので、株のほうが魅力的となります)
で話がそれましたが、
中国の市場全体のPERは現在40倍程度です。これは、かなり危険信号だと思います。
(もし、世界的な標準の20倍までに戻すなら株価は半分になります。)
ちなみに、日本でバブルが弾けたとき、日本のPERは60倍程度だったと思います。
その程度まで中国も大丈夫と思うのでしたら、まだ1.5倍ほどの伸びが期待できます。
・私のポートフォリオでは、現在、新興市場全体で4%ぐらいの割合です。
参考になりませんが(^^;
Re:新興国の投資の件
モンチさん 親切なコメントありがとうございます。
各国の株式時価総額の割合:5%がその他地域ですか?
そのなかの中国関連の投信がリターンのベスト10を独占しているんです。可笑しいですね。
このバブルは来年のオリンピックまでは大丈夫ではないでしょうか?(何の証拠もありませんが)
来年までの期限きの資金運用で注意をしながら5-10%の範囲で運用してみたいとおもいます。
今後とも宜しくお願いします。
Ken 拝