昨日の記事では、「日本株が弱いのは、外国投資家が日本市場を魅了に思わないから」という話でしたが、同じタイミングで、今度は以下のような記事がありました。
「日本売り」鮮明…メリル衝撃リポートが話題に (iza)
-----引用開始-----
米証券大手メリルリンチがまとめた衝撃リポートが話題になっている。世界のファンド運用担当者約300人の各国市場に対する見解を集計したもので、「ジャパン・パッシング(日本外し)」や「日本売り」の姿勢がクッキリと表れているのだ
(略)
興味深いのは、「現在の日本株の持ち高(ポジション)はどうなっているか?」という設問。各運用担当者は自社の基準(ベンチマーク)に従って世界中の株や債券などに分散投資しているが、日本株についてはこんな結果が出た。
「やや低い(アンダーウエート)」…32%
「大幅に低い」…17%
世界中の運用担当者のほぼ半数が、日本株への投資比重を自社の基準より低くしているのだ。
-----引用終わり-----
上の記事によると、 外国投資家は「日本株売り越し」の雰囲気ですね。
では、外国人投資家を含め、 日本の個人投資家や機関投資家の売買動向はどうなっているのでしょうか?
実は、詳しく見ていくと面白いことが分かります。
それでは、詳しく見ていきましょう、、
実は、ちょうど東京証券取引所がまとめた2008年1月(1月4日─2月1日)の3市場投資主体別売買内容の調査結果が出していました。 (ロイターの記事にもあります)。
ロイターの記事の数字を、さらに詳細に分解した表が以下です。
日本株式市場(東証1、2部+マザーズ)の1月の売買動向
買い(億円) |
売り(億円) |
差引き(億円) |
|
証券会社(自己売買) |
148,411 |
153,342 |
-4,930 |
個人 |
83,858 |
81,840 |
2,018 |
外国人 |
286,758 |
294,017 |
-7,259 |
証券会社(委託) |
6,501 |
6,376 |
125 |
投資信託 |
10,227 |
8,999 |
1,229 |
事業法人 |
7,301 |
4,049 |
3,252 |
その他法人 |
941 |
714 |
228 |
生保・損保 |
1,251 |
791 |
459 |
都銀・地銀 |
748 |
454 |
293 |
信託銀行 |
23,569 |
19,172 |
4,397 |
その他金融機関 |
871 |
764 |
107 |
この表を見て分かることは、
・売り越しは、 「外国人投資家」 と 「証券会社の自己売買」 です。
個人投資家も、法人も、銀行も、実は買い越しています。
(外国人投資家や証券会社は、短期的に儲けようとしている感じが出ていて嫌ですね。。)
我々長期投資家は、 外人投資家がバーゲンセールで売り出してくれる株式を、今の内に、どんどん買い集めて、将来株価が回復したときに、見返してやりましょう!!!(^^;
あと、やはり、
・外国人投資家の比率が多いですね。全体の取引の半分以上は占めています。
日本に住む一般の方も、1500兆円もある預貯金を少しだけでも運用にまわして、賢い運用をぜひして欲しいですね。 (コンマ数%の利子しかつかない銀行だけに預けているのは、凄くもったいないです)
この記事に対するコメント
無題
>売り越しは、「外国人投資家」 と 「証券会社の自己売買」 です
面白いですね。
売越率を計算してみたら
証券会社 4930/148411 =3.3%
外国人投資家 7259/286758=2.5%
売却損益はわかりませんが証券会社より外国人投資家の方が売買上手と思いました。
超ド素人の感覚ですみません。
Re:無題
masa2さん、こんばんわ。
>売越率を計算してみたら
>
>証券会社 4930/148411 =3.3%
>外国人投資家 7259/286758=2.5%
>
>売却損益はわかりませんが証券会社より外国人投資家の方が売買上手と思いました。
面白い切り口で、計算していただいてありがとうございます。
そう意味だと、「事業法人」や「信託銀行」は、率で言うと大きく買い越していますね(^^;
今までの売買が上手かどうかは、この資料では読取り辛いですが、
将来の時点で過去を振り返って、08年1月が底値なら、売り越している「外人投資家はまだまだ甘い」となりますね。
(逆に、まだまだ底値を切り下げた場合は、「外国人投資家は鋭い」ということですが、、)
ぜひとも、ここで日本株式が持ち直して、我々が笑いたいですね。