Date:2008/12/03 00:13
「もう分かってるよ」と言われるかも知れませんが、米国が”正式に”リセッション(景気後退)入りの判断を下したようです。米の景気後退、昨年12月から…戦後最長の見方も(YOMIURI ONLINE)
【ワシントン=矢田俊彦】全米経済研究所(NBER)は1日、米経済が2007年12月から景気後退局面(リセッション)に入ったとの判断を発表した。
日本と欧州も景気後退が鮮明になっており、世界同時不況の様相が一段と強まってきた。米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題をきっかけとした金融危機は脱却の道筋が見えず、米景気の後退は戦後最長になるとの見方も出ている。
日本と欧州も景気後退が鮮明になっており、世界同時不況の様相が一段と強まってきた。米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題をきっかけとした金融危機は脱却の道筋が見えず、米景気の後退は戦後最長になるとの見方も出ている。
もうご存じと思いますが、リセッションを正式に判断するのは民間組織の全米経済研究所(NBER)です。もし、株価が下がる前にリセッション入りを判断してくれれば非常にありがたいのですが、実際はリセッション入りして半年以上経ってから、「過去のあの時期でリセッション入りしていました」と判断されます。
そして、今回は、昨年2007年の12月だったようです。
もうリセッション入りしてから1年も経っていたんですね(^^;
では、「このリセッションは何時まで続くのか?」「株価はどうなるのか?」と言うことが気になります。もちろん、将来は予測できませんが、過去の実績は確認することができます。
では、まず過去のリセッションの状況を確認します。(過去の記事「過去の米国リセッション(景気後退)の期間」も参照ください)
以下は、戦後から、米国のリセッションの時期と期間です。
開始 | 終了 | 期間 |
1948年11月 | 1949月11月 | 11ヶ月 |
1953年 7月 | 1954年 5月 | 10ヶ月 |
1957年 8月 | 1958年 4月 | 8ヶ月 |
1960年 4月 | 1961年 2月 | 10ヶ月 |
1969年12月 | 1970年11月 | 11ヶ月 |
1973年11月 | 1975年 3月 | 16ヶ月 |
1980年 1月 | 1980年 7月 | 6ヶ月 |
1981年 7月 | 1982年11月 | 16ヶ月 |
1990年 7月 | 1991年 3月 | 8ヶ月 |
2001年 3月 | 2001年11月 | 8ヶ月 |
2007年12月 | ??? | 進行中(12ヶ月) |
リセッションの期間は大体1年ぐらいで、長くても16ヶ月(1年4ヶ月)のようでした。
戦後の様々な出来事と同じぐらいの深刻さであれば、16ヶ月目である来年の春頃に景気が底打ちしそうです。 それ以上長引くと、戦後最大の危機だということになりますね(汗)
では、リセッション時期に株価はどうなっているのでしょうか?
上図は、S&P500のチャートです(縦軸が対数になっています)。
赤いラインは、S&P500の株価の平均値です。そして、黄色いハッチ部分がリセッション期間です。
長期で見ると、株価は調整はしていますがいずれ元の水準に戻っています。一番落ち込みが大きいのは、1973年からの石油ショックと、2000年からのITバブル崩壊です。
その2つのリセッションの時、株価は約50%下落しています。(過去の記事「株価反発の時期を過去の例から考える」に詳しく書いていますので参照ください)
今、株価は2007年12月から約半値になっています。
過去の例に習うなら、そろそろ底値圏で、景気回復は来春、、、(^^;
今後どうなるかは分かりませんが、ご参考までにどうぞ。
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この記事に対するコメント
証券会社と銀行
証券会社(新入社員)から電話があり、三菱商事の債権と、オリックスの転換社債の勧誘がありました。
その時に、銀行で購入した海外債権と海外株式のアクティブ投信等の事を聞きました。これからユーロはもっと下がり、円高が強まり、毎月分配金は下がるだろうし、この海外債権は解約した方がよいと言われたけど、銀行員は長期保有が目的だからこのままにしておいてよいと言われた。証券会社は今年7・8月頃からこういう商品は解約を勧めているそうです。でも証券会社は売買が目的なのかな。
今解約すると基準価額が低くて損するし、フリーズ状態です。
いずれアクティブは解約したいのですが…(疲れた)
何かわかりやすい助言をお願いします。
投資の方のブログは結構専門的で難しいことが多いです(汗)
Re:証券会社と銀行
ワイドさん、こんばんは
>今解約すると基準価額が低くて損するし、フリーズ状態です。
>いずれアクティブは解約したいのですが…(疲れた)
現在、投資家の皆さんは厳しい時期ですので気持ちはよく分かります。
まず1番目にチェックすることは、「投資リスクがご自身に合っているか」の確認が必要です。
例えば、10万円投資していて5万円に目減りしていた場合、「まぁ、将来の成長に期待しよう」と考えると思います。同じことでも、1000万円投資していて500万円に目減りしていた場合、「食事が喉を通らない」「夜も寝られない」状況になるかも知れません(各人の性格に依存します)。 もし、今、株価下落のプレシャーに耐えられないなら、耐えられそうな水準まで一部売却する方が良いと思います。
逆に、まだ精神的に大丈夫なら、ホールドで良いのではないでしょうか?(安値で売るほど勿体ないことはありません)
>これからユーロはもっと下がり、円高が強まり、毎月分配金は下がるだろうし、この海外債権は解約した方がよいと言われたけど、銀行員は長期保有が目的だからこのままにしておいてよいと言われた。
分配金は下がると思います(短期的には、金利を各国下げてますし、円高圧力が高いです)
でも、しばらく使う予定がないなら(5年以上?)、このままで良いと思いますよ。
為替はいずれ元の水準に戻します。ここ10年ぐらいだとドル円だと110円ぐらいが平均ではないでしょうか? まだ円高が進むかも知れませんが、それでも95円は買い時だとおもいますよ
>オリックスの転換社債の勧誘がありました
これは、面白いかも知れませんね。
転換社債は、株価が上がれば、株に転換できるので売却すれば大きく儲けられる。
株価が下がれば、債券のままなので、元本保証で利子が受け取れる。
という株と債券の良いとこ取りした物です。(デメリットは、通常の債券より利回りが低い)
リセッション、16ヵ月に
注目している評論家、投資ブログ、良く見かけますね。ところで、株、不動産(REIT含む)⇒コモディティー(原油、金等々)⇒債券と投資資金が動いているようですね。米国長期債(10年)の金利チャート、1962年からですが、最低金利62年/1月の3.86%を1%以上も下回る2.69%で過去最低を更新(債券価格は急上昇)!
http://finance.yahoo.com/echarts?s=%5ETNX#chart1:symbol=^tnx;range=my;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;ohlcvalues=0;logscale=on;source=undefined
金利だとピンとこないので、外債ETF(20年超米国債)のドル建てチャートを見て唖然、呆然です(↓、笑)。
http://finance.yahoo.com/echarts?s=TLT#chart1:symbol=tlt;range=my;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;ohlcvalues=0;logscale=on;source=undefined
米国債(ETF)なんてドル建ての値動きは、新興国債券と比べ、値動きが小さいハズで02年からのチャートを見れば、ザックリ、85-95$で取引されていたのですが、たった、この一ヵ月でボックス相場の上限、95$をぶち抜けて、110$付近へ上昇(債券価格が15%も上昇)。
前述のアセット・ローテーション、比較チャートも(↓)。
http://finance.yahoo.com/q/bc?s=%5EDJC&t=2y&l=on&z=m&q=l&c=TLT,%5EDJI
NY・DOW(DJI,07年/10月)⇒コモディティー(AIG Commodity Index、08年/07月 )⇒米長期国債(TLT、もう直ぐ天井?)の順で天井ぽい?。かのバフェット氏も、ポケットマネーで持っていた米国債を売って、米国株を買っているとのこと。まさに(米)国債、もう直ぐ、暴落して、順番からすると株へ向かうのでしょうね。
Re:リセッション、16ヵ月に
Werder Bremenさん、こんばんは。
米国の長期金利が下がっているのも最近話題にあがってますね。「3%切るなんて異常だ」「50年来の出来事だ」などなど。
そして、景気悪化で米国債に資金が流れていたところで、バーナンキさんが「FRBは国債を買っていきます」という政策を発表してしまったので、一気に利回り低下中。米国も、日本に倣って0金利政策に向かうのかも知れませんね。
>かのバフェット氏も、ポケットマネーで持っていた米国債を売って、米国株を買っているとのこと。まさに(米)国債、もう直ぐ、暴落して、順番からすると株へ向かうのでしょうね。
景気が底をつけると、またジャブジャブに垂れ流された市場のマネーが、次のバブルを生み出しそうですね
無題
こんばんは。
もしかしたらGM問題が16ヶ月の境界を越えるか左右するかもしれないですね。
とりあえず気長に待つしかなさそうですが・・・^_^;
あと、今回に記事についてTBさせていただきました。
Re:無題
田舎のKenさん、こんばんは。
>もしかしたらGM問題が16ヶ月の境界を越えるか左右するかもしれないですね。
過去の例では、将来は予想できませんので、16ヶ月を超す場合も十分あり得ますので、話のネタ程度で記事を読んでください(^^;
無題
非常に興味深い記事で勉強になったです。
16ヶ月と考えれば、もうすぐなのかも知れませんね。
ただ、心理で考えると、好景気は長く見せようと(日本の超低成長の好景気のように....)、不景気は短く見せるのかも?とか勘ぐってしまいます(汗)
で、
株価や雇用統計などに表れてくると思いますので、ちゃんと目覚ましかけて準備しておきます!
Re:無題
かえるさん、こんばんは。
>ただ、心理で考えると、好景気は長く見せようと(日本の超低成長の好景気のように....)、不景気は短く見せるのかも?とか勘ぐってしまいます(汗)
問題は、例えば3月に景気底入れしたとしても、NBERから底入れ宣言されるのが、半年以上過ぎた頃。
秋口に「2009年の3月が底でした」と発表されても遅すぎますので、、
>で、
>株価や雇用統計などに表れてくると思いますので、ちゃんと目覚ましかけて準備しておきます!
そうですね、経済指標のチェックはいつも以上にやらないとダメですね(^^