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FTSEベトナム指数連動社債

楽天証券より、ベトナムの株式市場のインデックスに連動する商品が売り出されました。
詳しくは、楽天のサイトを見ていただくとして、まとめだけを書きますと、

FTSEベトナム指数連動社債(円建て)
概要  :株価指数「FTSEベトナム指数」を連動先とする債券
満期  :2012年12月4日 (5年満期の債券
販売単位:10万円
発行体 :ドイツ銀行AGロンドン支店

また、この債券にかかるコストが表示されています。
購入時  :4%
運用コスト:2.5%(年利)
(金融商品取引法のおかげでしょうか? 比較的分りやすく良心的に書かれています。)


イメージとしては、、
「ベトナムインデックスファンド(クローズドエンド型、原則途中解約できない)で、販売手数料が4%、信託手数料が2.5%」
に置き換えると分りやすいですが、まずはひとこと、、

「コストが高い!!」

ベトナム株式市場が、海外投資家にオープンではないのは分りますが、ここまでコストがかかるとは思いませんでした。

さらに、詳しく見ていきます。






■投資先は債券です

ベトナムのように直接投資が難しい場合は、連動債を設計して(orしてもらい)、その債券を投資先とする投資信託を販売する手法を良く見かけますが、今回のものは投資信託にはせず、債券のままで売出しています。これは目新しい気もしますが、

  • 投資信託にするとさらに余計なコストがかかるが、それを抑えられる(といっても高いですが)
  • 債券なので基本投資スタンスは持ち切りになりやすい(途中で売却しにくい)ので、目先の株価変動で狼狽売りなどが少ない。 長期的な市場の成長を見守れる。
という理由より、個人的にはOKだと思っています。 
ただ、投資信託のように考えると下のような落とし穴があります。
  • 債券であるため、換金性が悪い。(週に一度の受付)
  • 債券にありがちなコストが見えにくい。特に途中売却時にいくらで引き取られるのかが不明。
     (運用コストなどは詳しく書かれていますが、投資信託に比べればまだまだです)
  • 5年後に償還されたときの税金が雑所得となる。
    (FXではお馴染みのサラリーマンにはつらい累進課税ですね。 20万円までは申告なしでOKですが、それ以上の利益は、大抵がっぽりと税金を取られます。普通のサラリーマンなら20%か30%)
  • ちなみに途中売却すると、譲渡所得税になります。こちらは50万円以上の儲けから税金がかかります。
     (節税目的に途中売却はありと思いますが、大抵売却コストの方が高い) 

というように、ベトナムインデックスファンドだと思って購入すると、意外に違いがありますのでご注意ください。
 

■コストは非常に高い

既に書いてますが、販売時に4%+毎年2.5%のコストがかかります。
投資信託で考えると、「たぶん一番コストが高い投資信託じゃないの?」というレベルです。もし購入する人がいれば、「そんなにコストを支払ってまでベトナムに投資したいのか」と聞きたいレベルですね(笑)

そもそもインデックスファンド(今回は連動債券ですが、、)は、コストが安いから長期的に見てアクティブファンドより有利という発想があるのに、アクティブファンドより高い本債券は、本末転倒です。

ですので、ベトナムだけとはなりませんが、ベトナムを含む(VISTAや、インド+ベトナム)ならいくつか設定されていますので、そちらを買う方がいいと思います。
(過去の記事に一度取り上げましたので参照ください。7/14の記事7/12の記事

また、あまり一般的ではありませんが、外国籍のものや匿名組合のものもあるようです。


■ベトナムは有望だが、まだまだ投資先としては不安

一般的な話になりますが、

  • ベトナムは「20年前の中国」といわれています。(中国は20年前の日本とよく言われてましが(汗))
  • 東南アジアで中国に次ぐGDP成長率で、実質GDP成長率 7.8% (2006年) です。 (2%前後の日本や米国とはかなりの差があります)
  • 2007年1月にWTO加盟国となり、現在急ピッチで資本主義化が進められています。

と長期的に見れば非常に魅力的です。
ただ、投資先としてみると、
  • 株式上場銘柄が200程度で、時価総額は2兆円を超えた程度。非常に規模が小さく投資先としては不安。(ちなみに、日本が誇るトヨタの時価総額は14兆円ですので、その規模の小ささはわかってもらえると思います。)
  • まだまだ、投資環境が整っていない。 電話で買付、相対取引あたりまえ、インサイダー取引もまだまだあるようです(過去記事を参照)。


■まとめ

ベトナムは非常に魅力的な国ではありますが、投資先としてはまだまだ不安が残る。

もし、どうしてもベトナムに投資したいという場合、この債券はコストが高すぎます。他の投資方法も調べた上検討してください。
 
個人的には、「ベトナムは伸びる気はしますが、そこまでリスクが取れるなら他に魅力的な投資先は本当にないのか?」といった気がしますが、いかがでしょうか?
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この記事に対するコメント

先に読んでおけば・・・

はじめまして。
「FTSEベトナム指数連動社債」で検索して辿り着きました。
大変わかりやすい解説が非常に参考になりました。
が・・・。昨年12月、ベトナムというコトバで刹那的に買ってしまいまして、今は半値以下です(涙)。もっと早くこのサイトを拝見しておけば良かったですね。手数料すらちゃんと確認してませんでした。といっても投資額は様子見の10万円なので授業料レベルで済んでますが。

またちょくちょく寄らせていただきます。投資対象は、FX、ETFが中心で現物株は少々というところです。

【2008/04/29 11:14】よしい #5494f29b96(URL)[編集]

Re:先に読んでおけば・・・

よしいさん、はじめまして。
これからも、ぜひお立ち寄りください。

>が・・・。昨年12月、ベトナムというコトバで刹那的に買ってしまいまして、今は半値以下です(涙)。もっと早くこのサイトを拝見しておけば良かったですね。

該当記事は、結果論で言うと”たまたま当たった”だけですので、、、将来の予測は誰にもできまんよ(汗)
私も、今まで色々授業料を払いましたので(^^;、

ベトナムは「20年前の中国」といわれますので、超長期で付き合えば面白い投資先だとは思いますよ。(といってもご購入した債券は償還されちゃいますね)。ただリスクは大きいですので資産のごく一部で運用するのが良いとは思います。

【2008/04/30 00:47】管理人

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