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ETF投資に潜む5つのリスク

SeekingAlphaの記事で、「ETF Investment Risks」という記事を見つけました。

簡単にまとめると、「ETF投資のリスクとして5つほどありますよ」といった感じの記事で、「ETF投資をしている人なら当たり前じゃん!」から、「そんな盲点があったとは!」までありましたので紹介します。


さて、気になる5つのリスクですが、




1.ラベルを貼ってしまうリスク

つまり、ETFの銘柄名 = 投資対象でない場合の勘違いリスク。
例えば、アジア圏(中国・香港など)に投資をする場合に、銘柄名から「アジアパシフィック」のインデックスETFを買う。しかし、実際「アジアパシフィック」のインデックスETFの投資先のほとんどは、オーストラリア・ニュージーランドであった、というような感じのリスクです。

「投資先を確認せずに買う方なんかいないでしょ?」と思いつつ、「意外と引っかかる人がいるかも?」と苦笑してしまいました。


2.トラッキングエラーのリスク

これは、分かりやすいですね。

例えば日経225のETFの場合、日本の225銘柄の株を時価総額で保有すれば良いわけですが、 全世界の株価のインデックスの場合は、世にある全ての株式を保有する必要があります。 ただ実質、全銘柄保有は困難ですので指数に連動するようにサンプリングして保有しています。 このときにサンプリングが下手だとインデックスから乖離してしまいます。 この乖離がトラッキングエラーであり、リスクであるということです。

Seeking Alphaの記事では、MSCIエマージングマーケットのETFとして、iSharesのものとVanguard のものを取り上げています。iSharesはサンプリング法、Vanguardは全ての銘柄を保有する完全法を採用しているようです。 
で、、2007年の株式の大荒れの際に、VanguardのETFは1%以内の乖離で済んだが、iSharesのETFは7%も乖離していたようです。 

7%の乖離は、、、ちょっと驚きです。


3.スプレッドのリスク

ETFは市場で取引されるので需給で価格が決定します。 一方ETFは投資信託でもありますので理論的な基準価格があります。 通常、この2つの価格は乖離しませんが、流動性が低いときにこの2つの価格が乖離することがあります。

過去の記事(05/27 ETFの市場価格と基準価格の乖離 )にも書きましたが、流動性の高い「TOPIX上場投信(1306)」でも、理論価格と実際に売買されいる価格の間に、±1%程度の乖離が出ることがあるようです。


4.税金のリスク

債券・金・通貨etc のETFは、投資先はそれぞれですが税金は株式扱いで徴収されます。

例えば、債券の場合、売買差益は非課税だったと思いますが(利子や満期を迎えた償還益は課税)、ETFで同様の投資先に投資すると株式として20%(現在10%)の税金が課税されます。
通貨も、外貨MMFなどは為替益は非課税だった気がしますが、通貨ETFだと20%の税金が課税されます。

ETFは、信託報酬が少ないと考えて単純に投資すると、税金という罠に引っかかり高いコストを払ってしまう可能性もあります。 

これは意外と盲点かもしれません。


5.取引相手のリスク

普通のETFの場合は、実際の投資先の試算として現物の株などがありますので、運用会社が倒産しても資産は安全だと思います。
しかし、大証の金ETFのように、いちど金に連動する債券を作り、この債券に連動するETFの場合、債券を発行している機関が倒産すると、もしかすると資金が戻らない場合があります。 (大証の中国ETFも同じ仕組み)

このような、価格連動債権を一度組んで、さらにその債券に連動するETFを、実際はETN(Exchange Ttaded Notes)として区別すべきなのですが、日本ではあまり区別されていないようです。

「連動債券の価値が0になるようなリスクなんて実際ない!」と思われがちですが、、、ベアスターンズの破綻を見ると、無きにしもあらずという感じですね。



私は、1,4 (あと5も?)のリスクについては、全く認識していなかったので非常に勉強になりました。
(皆さんは、いくつ認識していましたか?)
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